トリゲートの
オウンドメディア
「トリブロ」

「読まれる」導入事例を作るためには、どんなストーリーにすれば読まれるようになるのか。それには、新たに制作する導入事例の「課題」と「効果」を分析し、読者である見込み客に最適なメッセージを分析する必要があります。本記事では、導入事例をストーリー別に分析し、マーケティング・営業活動に効く導入事例の制作のコツに迫ります。

ユーザ企業の「課題」と「効果」を検証する

「読まれる」導入事例を作るためには、見込み客の業界・業種や規模が同じであること、見込み客が抱く課題と解決策が同じ、そして、知名度の高い企業が取り上げられているという3点が重要になります。それをもとに、どの企業に導入事例インタビューのお願いをしたらいいのか、「事例プロフィール」を作成して検討していきます。

次に企業に導入事例インタビューを依頼する際、どのような「課題」と「効果」を取り上げることが効果的かを考えていきます。導入事例インタビューをお願いする企業が抱いていた課題と、自社製品・サービスの導入によって解決に導いた「効果」を箇条書きに書き出します。

書き出した「課題」と「効果」から、これから制作する導入事例がマーケティング・営業活動で機能するための大まかなストーリーを検討していきます。

課題や目的に応じた4つの導入事例ストーリー

導入事例のストーリーは、ユーザ企業の課題や効果、導入した製品・サービスの特性によって、いくつかのタイプに分類することができます。

企業が抱える課題を解決する過程を示す製品・サービス事例

【このストーリーに最適な事例タイプ】

• 知名度が高いユーザ企業
• 導入製品・サービスがパッケージ製品であるもの
• 導入効果が比較的明確なもの（定量的／定性的要素）

導入事例の読者は、自社が抱えるビジネス上の課題についての解決策を求めています。そのため、浮き彫りとなった課題を、どんな製品・サービスで、どのような過程で解決に至ったのかをストーリー化します。

このストーリータイプは、「導入前の課題」から、「導入の経緯」、「導入効果」「今後の展望」まで時系列で書いていくもので、比較的オーソドックスなタイプと言えます。

他社製品・サービスとの差別化をテーマにした事例

【このストーリーに最適な事例タイプ】

• 他社と比較して特定の機能を評価されて導入が決まった事例
• 競合他社が多い製品・サービス
• 差別化ポイントが明確である

一般的に他社製品との具体的な比較・検討は、購買フロー全体において導入決定直前のフェーズと位置付けられています。このストーリータイプは、見込み客がある程度の候補製品・サービスを机上に上げて、最終的に選定する際のアドバンテージにフォーカスして書いていくものです。そのため、取材やインタビューでは導入時の差別化ポイントをしっかりとヒアリングしておく必要があります。

実際の導入事例本文では、最終的になぜこの製品・サービスが選ばれたのか、その決め手や選定プロセスを中心に、詳しく説明を加えていきます。

提案力や解決力をテーマにした取り組み事例

【このストーリーに最適な事例タイプ】

• スクラッチ開発の割合が多い製品・ソリューション
• 提案型サービスや人的サービスを提供する事例
• ユーザ企業の不安解消や伴奏支援ができた事例

導入事例の中には、形のないものを導入して評価を得たテーマが少なくありません。例えば、ITや製造業であればソフトウェアの導入や、スクラッチ開発、導入後のサポート支援をテーマとした事例など数多く存在します。こうしたケースが成果上げているのは、自社が持つ人材やチームによってスキルやノウハウがベースとなっているからです。

このストーリータイプでは、自社の人材やチームが、経験やスキル、ノウハウによって、ユーザ企業にもたらした効果にフォーカスします。導入事例の本文では、自社の提案からアウトプットまでのプロセスや、実際の導入過程で苦労したエピソードなど、取り組みのなかであった出来事を記していきます。これにより、見込み客が抱く不安を解消するきっかけにつなげていきます。

社会貢献をテーマにした事例

【このストーリーに最適な事例タイプ】

• 社会的使命から採用された製品・サービスである
• 公共分野で導入された製品・サービス
• 導入における「ニーズ」と実現した「事実」をレポート

新型コロナウイルス感染拡大の影響で導入された、ある社会的な問題を防止ために導入されたなど、社会的使命から定評が得られた製品・サービスであることを訴求するのがこのタイプの特徴です。

導入事例の本文には、社会的な背景やニーズと導入された規模、得られた効果を事実中心に記していきます。IT分野における開発環境での実験レポート、その他実証実験レポートに近い体裁となります。

ストーリータイプの類型化でマーケティング・営業の最大化

先に掲げたストーリータイプは、これから制作を検討する導入事例にあてはまりましたか。「読まれる」導入事例には、ストーリーや構成によって、見込み客を引きつけて共感が得られるような仕組みにする必要があります。自社のマーケティング・営業活動を効果的に行うためにじっくりと検討してみてください。導入事例インタビューを依頼する際も、具体的なイメージとして、お客様企業に伝えやすくなるでしょう。